広島の出身

函館からバスに乗ってトラピスト修道院を訪ねてみた、もちろん観光で。もともと興味もなく暇つぶしであったのだがいざ目にしてみるとなるほどすごい。なにがすごいのかは説明できないが閉ざされた門の先はまったく別世界なのである。世の中とは一切遮断されたここだけの常識や空気が流れている、そう思うと僕のような人間が近寄ってはいけないような気もしてきた、要するに汚らわしい人間ですね。聞くところによるとこの修道院の起床時間は午前3時半なんだそうです。3時半が朝なのですね、それから3時間だったか祈りを捧げその後5時間だかひたすら読書、あとはちょっとおぼろげなので省きますが就寝時間は7時半なのだとか。

またこの中では会話は禁止されてはいないようですが必要最小限、また独特の手話もあり静寂が保たれていると聞きました。もう違う国ですね、ただとても崇高なものはこんな僕でも感じることが出来ました。美しいポプラ並木を経てまっすぐに坂道が続くのですが、そういえばこの坂をあがろうとすると、大きな蜂なのかブヨなのかわかりませんがまるで威嚇でもするかのように僕の頭の回りをものすごい唸りを上げながら何周も旋回を始めました。お前なんか来るな、まるで言われているようでした。北海道は頻繁に訪れられるような場所ではありませんが、いい思い出しかありません。

ホテルは函館駅から大森神社のほうに向かって10分ほど歩いたところにありました。途中占い師さんが路上で営業をされています、ちょうど道路を挟み対面でも同じく座っておられます。前を通り過ぎるとこんにちは、と声をかけられました。ひまだったので鑑定を、ではなく世間話をした程度です。なんとなく会話のイントネーションが違うかなと思い聞いてみると、広島の出身であるとか。こちらに来てもうだいぶたちます、と言っていました。函館には占いの館は少ないのですが広島では盛んですよ、と言って有名なお店をいくつか教えていただけました。お人好しの僕は何回も頷きながら聞いていました。